熊本地方裁判所 昭和61年(わ)601号 判決
本店の所在地
熊本県八代市本町四丁目七番二七号
法人の名称
合資会社大阪屋本店
代表者の住居
同県八代市本町四丁目七番二七号
代表者の氏名
大野恒夫
本籍
同県八代市本町四丁目七号二番地
住居
同町四丁目七番二七号
会社役員
大野恒夫
昭和一七年三月三日生
右両名に対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官江畑宏則出席のうえ審理し、次とおり判決する。
主文
1 被告人合資会社大阪屋本店を罰金七〇〇万円に処する。
2 被告人大野恒夫を懲役六月に処する。
本裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人合資会社大阪屋本店は、熊本県八代市本町四丁目七番二七号に本店を置き、日本料理飲食業を目的とする法人であり、被告人大野恒夫は同会社の代表社員としてその業務全般を統括しているものであるが、右大野は同社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上げの一部を除外して割引債権を購入するなどの方法により所得を秘匿したうえ、
第一 昭和五七年八月一日から同五八年七月三一日までの事業年度において、同会社の所得金額が二一一二万三三七三円で、これに対する法人税額は七九〇万六八〇〇円であったのに、同五八年九月三〇日同県八代市花園町一六番地二所在の所轄八代税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二〇九万七四〇円で、これに対する法人税額が六二万二二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額七九〇万六八〇〇円と右申告税額との差額七二八万四六〇〇円を免れた
第二 昭和五八年八月一日から同五九年七月三一日までの事業年度において、同会社の所得金額が二〇一三万八七一四円で、これに対する法人税額は七七二万四六〇〇円であったのに、同五九年一〇月一日前記八代税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が一二八万二六〇三円で、これに対する法人税額は三八万六三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額七七二万四六〇〇円と右申告税額との差額七三三万八三〇〇円を免れた
第三 昭和五九年八月一日から同六〇年七月三一日までの事業年度において、同会社の所得金額が二〇七一万五二八五円で、これに対する法人税額は七九八万一七〇〇円であったのに、同六〇年九月三〇日前記八代税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が二七二万四二一円で、これに対する法人税額が八四万六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額七九八万一七〇〇円と右申告税額との差額七一四万一一〇〇円を免れたものである。
(証拠の標目)
一 被告人の
(イ) 当公判廷における供述
(ロ) 大蔵事務官及び検察官に対する各供述調書
一 大野芙美子の検察官に対する供述調書
一 登記官作成の商業登記簿謄本
(法令の適用)
一 判示所為
いずれも法人税法一五九条一項(被告人会社についてはさらに同法一六四条一項)
一 刑種の選択
被告人大野の所定刑中懲役刑選択
一 併合罪の処理
刑法四五条前段、被告会社につき四八条二項、被告人につき四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第一の罪の刑に加重)
一 刑の執行猶予
被告人大野につき刑法二五条一項
(裁判官 荒木勝己)